ネットワークマガジン創刊号


2014年度 第1回ワークショップ レポート     文: 岡田 昌也(『今さら』劇団部 所属)


7月6日、ウィズ豊川にてワークショップが開催されました。今回のテーマは「エチュード」。『今さら』劇団部がホスト役で進行しました。

まずは準備体操(ラジオ体操)と発声練習。ラジオ体操の音源は無いので、みんなで記憶をたどりながら、口ずさみながら体操します。何だか夏休みの朝を思い出しますね。 発声練習では5~6人の班に分かれて「いけがみきみこゲーム」!班内で早口言葉を廻していくゲームで、『今さら』ではおなじみなのです。みなさん結構盛り上がっていましたね。

ラジオ体操の様子。写真には写っていませんが、参加者全員で輪になっています。
「いけがみきみこゲーム」。ゲーム直前に「イェーイ!」と皆でテンションを上げるのがお決まりです。
今回のエチュード(即興劇)の取り組み方を説明中。

続いてエチュード本題です。三つのテーマで行われました。 ここで今回のエチュードへの取り組み方の注意点。「楽しむ」ことを確認しました。自然な会話の流れも楽しんでいないと出てこないものですよね。

一つ目は二人一組を作り、イスを取り合う少しゲーム的なエチュード。 一人は既に座っていて、もう一人があの手この手でイスから立ち上がるように仕向けます。(引っ張る等禁止で) そして代わりにイスに座ることが目的なのですが、これが結構難しいのです。

皆さん色んな手法で迫っていましたけれど、成功していたのは強烈にイスへのこだわりをアピールした人だったように思いました。 しかし、それが会話として不自然じゃないかと考えると両立させるのは難しいですね。 自然な流れで成功していた組に対しては特に大きな拍手が起こっていました。

「椅子に座りたい」と泣きじゃくる子どもを冷たくあしらってみたり・・・
色仕掛け(?)で迫るも幼児退行(?)で応戦。不思議な人間関係に。

二つ目はテーマと場所を決めてのエチュード。テーマは「驚かせる」や「騙す」といった、相手に何か働きかけることがいくつか設定されました。場所は路地裏や河川敷などなど。 皆さんのテンションも上がってきて、見ごたえ、やりごたえのあるエチュードもいくつか出てきました。場所の設定を効果的に使っている方はテーマにもすんなりと入っていましたね。

禁漁区域での釣り人に注意する警備員さん。
路地裏で何か見てはいけないものを見てしまったようです。

三つ目はグループ内に人間関係の序列を設定して、見ている人に序列の順番を当てさせるエチュード。 こちらもゲーム性があり、面白かったです。5人でグループを作るので、1~5までの順番になりますが、早い段階で1番か5番の人が率先して番号をアピールしたグループは伝わりやすかったですね。

とある交番での出来事。警官と一般人が混じっての序列当ては難しいかと思いきや、上下関係を連想させる言葉や態度ひとつではっきり分かってしまいます。 合っているかどうかは別として。
駄菓子屋での出来事。演者も自分以外の序列を知らないので、迂闊な事をしゃべらないよう探り合いながら話を進めています。

ワークショップの締めに参加者一人ずつ感想を述べていきましたが、皆さんそれぞれワークショップを楽しみ、何かしら手ごたえをつかんでいるようでした。 初対面の相手とエチュードをするというと、緊張してしまいがちなものだと思います。しかし今回は、参加者のテンションの高さから、相乗効果でお互いの持っている力をグイグイ引き出したワークショップになったかなと思います。皆さんお疲れ様でした。


著者紹介

『今さら』劇団部所属。昨年の東三河演劇フェスティバル 2013 の企画公演「アパートの神様」において、一般市民参加枠で出演。 演劇未経験ながらも、主役級である地球の平和を守る戦隊ヒーロー(ブルー)を熱演した。 その後、本人の熱い希望なのか一時の気の迷いなのかは定かではないが、そのまま『今さら』劇団部へ入部。今、注目の若手の一人である。


リレーエッセイ 『W杯 ブラジル』         文: 大石 法良(『今さら』劇団部 所属)


リレーエッセイとは?
東三河演劇ネットワークに所属する劇団会員や個人会員の中から、広報担当者の独断ときまぐれ、時には執筆者の指名によって次の執筆者を選び、 毎号好きな事を書いてもらおうという企画です。

東三河演劇ネットワークの記念すべき第1回のリレーエッセイを任される・・・


これはとても名誉な事だと感じつつも、何を書いたらいいか考えながらキーボードをたたいている今現在、

オレには苦痛以外の何者でもない。全くもって迷惑な話である。


・・・よし、これで文字数を稼げた・・・


と思いつつも、全国に1千万人いると言われる読者のために、

「これじゃいかん!」と一念発起して、オレの理想とする芝居について書こうと思う。


2014年ブラジルでサッカーのW杯が行われ、地球の真裏である日本では、明け方頃に試合が中継されている。

燦々と輝く太陽。数万人の歓声と怒号、雄叫びに熱い吐息。

そしてその中央には22人の選ばれし選手達が躍動している。


オレはスポーツ中継のそんなシーンが大好きだ。 そして90分後には、歓喜の11人と落胆の11人に別れる。

・・・何て非情でそして緊張感のある時間だろう。


そしてその勝利のために一般人が想像も付かないような研鑽を重ね、たった一つのボールを追いかける。

ただ、そこにはTV中継の存在も欠かせない要素だ。


カメラアングルだったり、実況、解説、歓声のボリュームなど、心を揺さぶる手伝いをしてくれる。

20年くらい前のNHKのサッカー中継は、実況が淡々としていて、更に観客席のボリュームがかなり小さかったので、

見る方も気持ちが盛り上がらなかった。


一見、話が逸れているようだが、オレはこのスポーツ中継の感動を芝居で作りたいといつも思っている。

結末に全ては集約され、その結末のために物語は繰り広げられていく・・・



芝居の作り手は、至上の結末のために研鑽し、ただ一つ、芝居の核となるものを追い求めていく。

その核がゴールに入った事を客が認識できるようにあくまでも環境要素作りとしてスタッフワークが必要となる。


決勝に近くなると、ブラジルでもアルゼンチンでもヨーロッパでも試合結果で、死人が出る事もしばしば。

負けたショックだけでなく、勝った高揚のまま死んでしまう人がいる。


別に芝居で死者を出したい訳じゃないが、客が、役者が動かす一つのボールを追いかけて 一喜一憂し、

全ての気持ちを結末に賭けるような・・・



そんな芝居を作りたい。



優勝はアルゼンチンかな。ま、分からんけど・・・。




『今さら』劇団部所属。旗揚げメンバーの一人であり、現部長。 二枚目から西日暮里のおばちゃんなどコミカルな役まで幅広くこなすオールラウンダー。 スポーツ全般が好きで、特にサッカーはスポーツ解説ができるほどの知識を持つ。 その知識は日本のクラブチームだけに留まらず、世界各国のクラブや選手データ、流行の戦術などもカバーする。